2011年10月9日日曜日

Westone UM3X RC + リケーブル Part.3


すっかりリケーブル狂と化した今日この頃。
そしてこの写真を見て違和感を覚えた方は鋭いです。
なにしろケーブルが「自立」していますからね。
「自立」という言葉はケーブルに対して使う言葉ではありません。
今回使用した線材はアムトランスのテフロン被覆4N金メッキ0.5mmOFC単線。
作る前から分かってはいましたが、変に欲を出さず0.4mmでもともとツイストしてあるものを使うべきでした。




が。
これ凄く音が良いですね。
ビックリしました。
音質に期待していなかったわけではありませんが、自分の場合この硬い線材をどういなすかっていうのが最大の楽しみだったので、目から鱗、棚から牡丹餅、え、マジで?、そんな感じです。
いつもの記事だとリケーブルの音質レビューは最後にちょろっと申し訳程度記載してるぐらいでしたが、今回は一番に持って来てしまいました。

なにが違うってUM3Xってこんな音だったっけ?と疑問が浮かぶような高域のクリアさと中域、低域のタイトさを得られたところです。
特に高域のクリアさはヘタにアンプを変えるよりも変化しました。BA特有の金属的な響きでもなくスー、と自然にそよ風が通り抜けるような、そんなポエミーな表現をしたくなる音です。
中域低域のタイトさは、結果的に中域の張り出しが若干抑えられるのでUM3X愛好者的には賛否はあるかもしれませんが、個人的にはバランスが良くなり、かつ中域の表現力はUM3Xそのものの為、非常に好印象です。


純正と比較すると定位の安定感と音場の描き分けも向上しています。広いところは広く、狭いところは狭く、残響表現も源音とリバーブ音が混濁することなく綺麗に響いてくれます。(ただこれらはPart.1のmogamiと同程度。線材というより4芯構造に拠る効果だと思います。)

全体的にSE535のバランスに近付く感じなんですかね。
加えて金属的な感じがせずすこぶる自然なので、可哀想ですが正直SE535はしばらく御役御免かもしれません…。


それにしても自分はシールドなどの構造による変化は十分認める価値があるとは思っている反面、線材による変化には大分懐疑的でした。
ですがたまにこういうことがあるから困ったもんです。自分の価値観が揺らいでしまう…。
ただ多少物理的に言えば金メッキによる表皮効果や、テフロン被覆による誘電率の低さ、絶縁抵抗の低さがそういう効果をもたらしているのかもしれません。

そういう理屈にすがれば辛うじて音質変化は芯線素材自体の影響とは言い切れず、なんとか「線材で音質変化は無いとする価値観」が保てるかもしれません…。
もはやそんなこだわりあまり意味は無いかもしれませんが…やっぱりある程度理屈は大事にしたいです。


では、折角なので簡単に作り方もご紹介したいと思います。

UM3XRCには一般的なD-subピンが丁度刺さりますのでそれを応用します。
もともとハンダ付け用のピンなので丁度良く穴も開いていますし非常に作りやすいです。

全てハンダ付けしたら次はモールド作りです。
内径1mmぐらいの収縮チューブを両端子に被せると、UM3XRCのジャックピッチと丁度同じぐらいのピッチになります。
その後は周りを4、5重ぐらい収縮チューブを被せてやればかなりしっかりしたモールドが出来上がります。
写真のようにイヤホンに挿した状態で作業するとピンがずれにくく綺麗に仕上がりやすいです。ただし熱の加え過ぎで本体にダメージを与えないように注意が必要です。

出来上がりはこんな感じです。仕上がりはまあまあ。
いつかちょっとしたデコボコも無くせるようにしたいですね。
今回は線材自体が針金みたいなモノなのであえて針金ガイドを入れることはしていません。
また、スリーブの被せ方などこれ以降の作業はSE535+リケーブルPart.2とほぼ同じなので割愛します。

内部はちゃんと撚っていたり
オヤイデ直販限定4mm径プラグがピッタリ
隙間から見えていた針金も見えないよう工夫
モールドもデコボコが少なくなってきました

だいぶ外装も経験を積んだおかげか粗が少なくなってきました。
機能美という概念があるように、しっかり耐久性や取り回しを良くしようと工夫するほど効率の良い無駄の無い構造になるため、外見も美しくなっていくはずです。これはアイディアを元に精進あるのみ。もっと頑張りたいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿