2011年11月12日土曜日

HeadRoom Portable Micro Amp (PMA)

デカイ。


Porta Tubeと比べてもやはりデカイ。


アンプに造詣の無い一般人が見たらどう思うんでしょうね。

ということでサイズは大体お分かりいただけたかと思います。
今回はこのアンプを好きモノの友人が買ってしまったということで折角なので借りて音を聞いてみました。

PortaTubeを携行してる自分が言うのもなんですが、いくらなんでもこのサイズはねーわwwwww…と思ってましたけど、実際音を聞くとサイズなんてどうでも良くなってしまいました。
ホンと結構聞いてて楽しいんで、そろそろ返さなきゃ悪いかなってぐらいガッツリ借りて聞き込んでしまいましたね。

見た目や下馬評からして、けったいな味付けで低音ブンブン言わせるタイプだと思い込んでいたのですが、実際聞いてみたらかなり素性の良いアンプなんだと、良い意味で裏切られました。
その上で聞いてて楽しい調整がされているという印象です。
比較になるアンプとしてはPortaTube/Continental/AHA-120あたりでしょうか。
L3とかPDAとかNew Portaphileとかの規格外クラス一歩手前の商品群ではトップクラスだと思います。まあ上記の規格外クラスは音を聞いたことが無いので明言はできませんがね。

で、音質ですが、一言で言うと低音域中心に音場が広がるアンプという印象。
全体の質感はいかにもA級らしく歪が少なくクリアながら、そこそこ暖かみがあります。

細かく見ていくと、
低域は質と量感を重視しているようです。やや緩めですが質が良いのでぼわついたりせず、むしろ聞き易く豊かに表現してくれます。
緩めといえどドラムンの16th note刻みのベースラインの起伏もきちんと跳ねているので立ち上がりが遅いわけではないですね。どちらかというと立ち上がりと下がりでのピーク差が少ない感じ。

中域は若干弄っている印象です。中域というより中高域、感覚的に6~8kHzぐらいに思えますが、残響音が気になります。ただこれは諸刃の剣というか、これのおかげで音場の広さが表現されているようにも思えます。
残響音がいつまでも残ってる感じで、他の機種と比べてもハッキリ聞こえるんですよね。それで次の音と重なるとちょっと混濁してしまう。けれどその残響のおかげで広く臨場感のある音にも聞こえます。
多分これはあえてそうしているんじゃないですかね。 特性馬鹿の日本製には無い、聴感調整を重んじる欧米らしい部分とでも言うのか知りませんがw

高域は量はあまりありませんが意外と質は良いです。
刺さりとは無縁の湿度のある高域、と例えたいような感じ。
組み合わせるイヤホンやヘッドホンによっては高域の部分でも十分感動できる質感を得られます。

また、クロスフィードのON/OFFがありますが、これこそPMAの存在価値を高めている機構だといっても良いんじゃ無いでしょうか。
ONにすると上述の低域や音場の表現を更に伸ばす方向に変化します。
低域はより量感を増やし、音場は更に広くなります。
こうなると自分にはちょっとアクが強すぎてノーサンキューですが、この素性でこれだけ明確な方向性があるアンプは稀有です。
なので低音馬鹿の癖して全体の質も向上させたいという業の深い人にはうってつけでしょう。

個人的にバランス良く合うイヤホンはSE535だと思います。
535の硬さが和らいで良い感じです。
逆にUM3Xは全然合わないですね。
もこもこしてもこもこです。ちょっと何言ってるかわからないです


ということでちょっと珍しめのアンプだったのでレビューしてみました。
言うまでも無く個人の主観なのでよく咀嚼してみていただければと思います。

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