2012年6月7日木曜日

HeadRoom BUDA + UDAC + DPS VS audio-gd Phoenix + NFB-7

アメリカはHeadRoomが放つロングセラーフラグシップ商品
Balanced Ultra Desktop headphone(BUDA)
Ultra Desktop DAC(UDAC)
Desktop Power Supply(DPS)

何故突然こんなけったいなものが我が家に来たかというと…
けったいな友人がHeadRoomの40周年記念に釣られて(そそのかされて)まんまと買ってしまい、早くも何故か貸してくれるという事なので借用した次第となります。

そして何故かファーストインプレッションを早くするようせかされているので、数時間程度の視聴時間ですが、簡単に書いてみようかと思います。(なんなんだ一体…)



HeadRoomというと「PDAを持ち歩くとか馬鹿じゃねーのwwwwwww」っていう印象が強く、すっかりステレオタイプでアメリカナイズな横幅40cmのフルサイズ三段の下品なアンプかと思い込んでましたが、これが実際手元で見ると意外とコンパクトで可愛らしい。
所有機のaudio-gdのNFB-7+Phoenixと下品さ比べをしようかと思っていましたが、比較するまでも無くaudio-gdの圧勝。ぱっと見、三倍ぐらい強いですね。我ながら外観のセンスの無さにおいては最強だと自負しております。


そして音質ですが、今回はひとまずBUDA+UDAC+DPS VS NFB-7+Phoenixという、それぞれのメーカーのセットでの比較とさせていただきます。(上流はRME:HDSPe AIO、下流はHD800 balanced)

期せずして一つところに集ったこの2メーカーの商品。値段やスペックなどで競合する部分が多く気になってる方は結構気になってるんじゃないでしょうか?(今はNFB-7は手に入りませんが…)
具体的には、
・DACチップに「ES9018」を使用
・ディスクリートA級アンプ(多分)
・バランス接続用ヘッドホンアンプ
・電源別筐体(NFB-7を除く)
・海外ガレージメーカー製品
などなど。

何しろ国内に代理店など無く視聴する機会が皆無であるので、個人的にもこの比較は興味がありました。
特に双方DACに「ES9018」を積んでると言うところが面白いですね。


前置きが長くなりましたが、その総合の音質を一言で言うと、
「ピラミッドバランスの音像型」
というところでしょうか。

イヤホンに例えるとWestone4と似てるなって思います。
バランスとしてはピラミッド型にはなりますが、高音域もとても綺麗に出ています。丁度良い抑え具合で過剰にキンキンさせてないのが良いですね。
低音域が若干柔らかめで太めなところもWestone4と似ています。
中音域も混濁が少なく、各楽器、音声がしっかりと浮き立っています。

そして一番特徴的だと思ったのは、「音像型スピーカーみたい」と思ったところです。音像型だとか音場型だとか、明確な定義はありませんが、個人的な感覚で映像に例えてみると、音像型は「3Dテレビ」で音場型は「ホログラム」、そんなイメージがリンクします。

実際一般に言われてる音像型、音場型の仕組みと照らし合わせても、やらんとしていることは似ています。
 音像型は2つの発音体からの直接音を合成して立体感を出し、
音場型は反射音なども含めた多角的な音を合成して立体感を出すもの
として認知されています。(多分)
どちらが良いというモノでもないですが、最近はホームシアターの影響も大きいのか音場型傾向のスピーカーが多い気がします。

話をBUDA達に戻しますが、なんともこう立体が放射状に眼前に迫ってくる印象が強いんですよね。ピラミッドバランスの帯域も相まって、結構押しが強い、圧力のある音と感じる人が多いかと思います。
それと基本的に歪感などは少なく感じるので、いわゆる絶妙な歪感から来る艶とか、キラキラ感()は感じにくいでしょう。意外と真面目な音作りです。

HD800との組み合わせも非常にバランスが良いと思います。
相互補完関係にあり、汎用性の高い組み合わせと言えそうです。

一つ気になったのはSN比は並かなぁというぐらいです。
HD800ではあまり気になりませんが、感度が良くローインピなイヤホンヘッドホンだとややホワイトノイズが目立ちます。
その点に関しては明確にPhoenixに軍配が上がります。恐ろしい事ですがボリュームMAXにしてもほぼノイズは乗りませんでした。(※絶対に真似しないで下さい。冗談抜きで爆音で死ぬ可能性もあります。)


 
それではついでに比較としてPhoenixの傾向も記しておきます。

比較するとPhoenixは「フラットバランスの音場型」と言えます。
帯域はどこかに寄ってるほど明確な差は無く、ほぼフラット。
音場はそれなりに広く、頭の周囲に展開するように鳴ります。
これもイヤホンで例えるとSE535(ノーマル)に似てますね。

BUDAと比較して決定的に違うと感じたのは歪感の多さです。
一聴するとPhoenixの方が鮮明に聞こえるんですが、しばらく聞いていると若干の歪感、特に高音域が気になってきます。これは以前の記事でも少し書いていますのでBUDAとの比較とせずとも、平均的なアンプと比較してもPhoenixの高音域にはやや歪があると結論付けてもいいでしょう。

ただそれは反面、BUDAには無い艶等の付加要素と捉える方も居るかもしれませんので一概には欠点とは言えないです。(自分は「艶」と呼ばれる音はただの歪みとして捉えるのでアドバンテージとはしてませんが)
その部分はaudio-gdの特徴である「Non-feedback & ACSS接続」から来るところが大きいと思われるので、そういうのを含めた音作りがされていると思っていいでしょう。

---ちなみにaudio-gdの製品型番の「NFB」は「Non-feedback(無帰還)」の略で、「Negative Feedback(負帰還)」の略ではありません。無帰還と負帰還の違いはここでは割愛します。興味があればググって下さい。

HD800との組み合わせは相乗効果関係にあると言えます。
フラットでかつ広い音場という双方の特徴を余すことなく発揮してくれます。


以上で比較は終わりです。

自分自身、自宅で競合機種をじっくり比較したことが無かったので、今回の比較はなかなか有意義な物となりました。
最大の収穫は「どちらも自分の理想とする音ではない」という事w
拙宅の環境に組み込むならば「ピラミッドバランスで音場型」となるアンプ&DACが理想なんだろうなと認識しました。

………

あれ…?
書いてて気付いたんですがそれならHeadRoom × audio-gdの組み合わせならそうなるんじゃね…?

…今はもう疲れたので、また後日試して続きを書きたいと思います。
お付き合い頂きありがとうございました。

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